アンティーク インレイキャビネット

2021.06.02 アンティーク, 英国アンティーク

【営業再開致します】
6月1日(火)~6月20日(日)の期間、下記の通り営業致します。

平日:11時~20時
休日(土日):全館休館

※今後の社会情勢等により、変更する場合がございます
お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

こんにちは。
梅雨とはいえ、晴れ間が続く6月の第一週。

当店も久しぶりの営業再開。

休業の間、本社へ出勤しまして、ショールームの家具の撮影や手入れ、ディスプレイ替えなど、
さまざまな準備と作業を行っていました。

8月中旬から下旬頃にはお披露目が出来るかと思いますが、
ただ今ホームページのリニューアルに向けて準備を進めております。

商品の貸出を行うレンタル事業を、いよいよ本格的に、大規模に進めることになりました。
当社一丸の一大プロジェクト!

そのため、多数の商品をいかに効率よく分かりやすくご紹介出来るか?をホームページ作成いただく業者様へ相談し、
形にしている最中です。

今までとは全く違う、立派な(立派すぎる!)ホームページに、狂喜乱舞、いや戦々恐々(イメージに対して実態は大丈夫なのか?という心配)と過ごす毎日です。

そんなこんなの刺激的な日々を終え、ハービスエントの日常が戻って参りました。

のんびり、ゆっくり、密とは無縁の当店ですので、ぜひご安心のうえ、ご来店下さいませ。
フラリ、たまたま、ひやかし、なんでもOKです。ウェルカムです。

さて、商品のご紹介を。
本日のご紹介は、こちら。

1920年代〜30年代のイギリス製、マホガニー材のキャビネット。
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アンティーク家具っていいいな、と思える様な、贅沢なガラスキャビネット。

サイズ感、装飾、佇まい、背板の生地、どれをとっても好みな1台。
現代の家具ではとうてい出来ないようなデザインです。

古いものに対しての尊敬の念を抱かずにはいられない、そのようなアイテム。
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決して華美ではないのに、そこはかとない品があります。
出過ぎず引きすぎず。
固定の棚板は、程よい棚割りですので、背の高いものも、低いものも良い塩梅で飾っていただけます。

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まずはキャビネットトップの装飾について、ですが。
アーチが描かれています。

こちらは、オジーアーチと呼ばれる装飾。
葱花アーチとも呼ばれる先端がキュッと細くなった形状を、オジーアーチと呼びます。
タマネギのようで可愛らしいです。
インレイの装飾と相まって、落ち着いた華やかさ。

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アンティーク家具に用いられる、様々な家具の装飾は、元々は教会などの建築物に使用されているものが多いようです。

アーチにも様々な形状が見られますが、半円アーチから、先端が尖った形状のポインテッドアーチへと変貌を遂げる背景には、12世紀半ばのヨーロッパで、ロマネスク建築がさらに発展し、洗練された、ゴシック建築の誕生が元となっています。

ゴシック建築の一番の特徴は、尖った先端から緩やかに弧を描きながら長方形に下りてくる「尖頭アーチ」(ポインテッドアーチ)です。

扉の開閉は、フランス落とし金物で。
フランス落しは、両開き扉または親子扉のカギが付いていない扉を固定する戸締まり金具です。
当時の金物ですので、真鍮の古い良い味わいを感じることが出来ます。
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背板には、イギリスのデッドストック生地を使用。
キャビネットなどの収納家具では、背板に古いにおいがついていたり、籠ったようなにおいが強いものもあります。
アイテムの性質上、グラスやカップ、お皿など、食器を収納することが多いことが想定されるため、
布を張替、リフレッシュして店頭に並べております。
厚みも有り、しっかりしている生地の為、剥がれる恐れはありません。

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棚受けも真鍮金物。
棚板と本体とが固定されているため、棚板の取外しは出来かねます。
調整も出来かねますので、ご了承下さい。
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スッキリ感じますのは、スマートで長い脚部。
こちらのデザインは、『テーパードレッグ』と呼ばれます。
「テーパード(Tapered)」とは「次第に細くなっていく」という意味。

アンティーク家具で見かけるテーパードレッグは、とても細くて長く美しい脚。でも、ここまで細いのに家具として強度を持ちながら支えることが出来るのは、使われている材質が上質なものであることの証明です。
この時代でしか手に入らなかった上質なマホガニー材。硬い木であるが故に、実現しています。

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テーパードレッグは、18世紀中頃、新古典主義(ネオ・クラシック様式)に流行しました。

18世紀半ばから古代ローマ遺跡の発掘が始まったことをきっかけに、もう一度、古典的なデザインが見直されるようになり、誕生したネオ・クラシック様式。

それまでは、バロック様式やロココ様式のように、優雅で華やかな曲線と、豪華すぎるデザインが特徴的でしたが、その反動から、過剰な装飾を排除され、古典的なシノワズリやゴシック、古代ギリシャ・ローマ様式の装飾が再び使われるようになりました。

その際、それまでのガッチリした脚の代わりに、直線的でスッキリしたテーパードレッグ。

こちらのキャビネット全体から感じるスマートさは、まさに時代の反映とも言えます。

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薄型のガラスキャビネットは、日本で好まれます。
側面のガラスも、よりスマートに威圧感無く見せてくれる要因のようです。
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縦に溝が入った「フルーティング」と呼ばれる技法で、上品に仕上げられています。
様々なお部屋に調和するのも、これほどのシンプルさ故なのでしょうね。
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一部、フレームの補修部分がございます。
外れてしまったパーツを、奇麗に補修済み。
約100年前の家具ではありますが、補修を繰り返しながら使い続けていることが伺えます。
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また、こちらの特筆すべき装飾はこちら。

『インレイ(Inlay)=象嵌(ぞうがん)』の装飾。
「象」=模る「嵌」=はめるという意味で、一つの素材に異なった素材を嵌め込んで模様を描く技法のことを言います。

象嵌と呼ばれるものには、金工象嵌、木工象嵌、陶象嵌など種類がありますが、アンティーク家具で使われているのは木工象嵌です。

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無垢材の家具の表面に模様を彫り、その模様に沿って切り取った色の異なる木片をはめ込んで模様を描く木工象嵌は、まるで絵画のような美しさ。
とても細かい模様を見ていると、気が遠くなるほどの手間と時間がかかっていることがよく分かります。

現代の家具でここまで凝った象嵌の家具を見ることが出来ないのも納得。こんなに美しい象嵌の家具を手に入れることが出来るのはアンティークだけです

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象嵌を作るためには、ウォールナット材のように堅くて収縮しない上質な木材の突板が必要です。

今のように道具や機械がなかった時代には、堅い木を薄くスライスして突板を作ることが出来なかったので、象嵌やマーケットリーなどの模様が入った家具は存在しませんでした。

17世紀中頃に技術が発達し、突き板が作れるようになったことで、家具のデザインが大きく変化します。

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唯一無二のアンティーク家具。
存在そのものが美術品のようでもあります。

家具の持っている歴史や、そこに携わられた職人さんの技術、現在では入手しづらい高級材、
便利さの対局にはありますが、そちらに魅力を感じていただけますと、長いおつきあいをいただける家具であるように思います。

ぜひ、実物もご覧下さいませ。

アンティーク インレイキャビネット
幅90.5 奥行 33 高さ 183  cm
税込価格:385,000円

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